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2024.12.05
自動車関連分野

不織布の無限の可能性— 不織布と弊社の取り組みご紹介

「不織布の多様な用途と加工技術で生まれる新しい価値」

私たちの日常に溶け込む「不織布」。マスクや衛生用品はもちろん、自動車や建築資材など、さまざまな分野で活躍する縁の下の力持ちです。しかし、その実態や無限の可能性を知る機会は少ないのではないでしょうか。多機能性と柔軟性に優れる不織布は、現代のモノづくり現場が抱える課題解決のカギを握っています。不織布の真価を最大限に引き出すために、その特性や加工技術を正しく理解し、活用することが重要です。弊社が自動車業界で携わらせていただいている不織布やその機能付与加工など、一部ではございますが本コラムで紹介いたします。

目次

1.不織布とは?

2.不織布の種類

3.不織布にプラスアルファでご提案できる内容

4.まとめ

 

1.不織布とは?

不織布は「織らない布」として知られ、繊維をランダムまたは一定方向に集積し、機械的に絡ませたり、熱融着や化学的接着をさせたりしてシート状に形成された素材です。その最大の特徴は、繊維間に無数の空隙を持つ多孔構造にあり、通気性、吸音性、断熱性などに優れています。さらに、厚みや密度を自由に調整できるため、柔軟な設計が可能です。

自動車業界では、不織布は内装材、吸音材、フィルターとして幅広く使用されています。例えば、内装部品(天井・カーペットやトランクなど)の意匠面として使用されています。また、吸音材として使用することで車内の静音性向上にも貢献します。

不織布は製法と原料の組み合わせによって、さまざまな性能を持たせることができます。主な製法として、以下の2つがあります:

  • 短繊維不織布:ニードルパンチ、スパンレースなど
  • 長繊維不織布:スパンボンドやメルトブローンなど

不織布は織物と比較して大量生産が可能でコスト効率が高いため、工業用途に最適です。また、複数の素材を組み合わせて抗菌性や撥水性などの機能追加も容易です。こうした柔軟性と高機能性により、不織布は自動車部品や他産業においても、広く革新をもたらす可能性を秘めています。

 

2.不織布の種類

不織布の種類・製法は複数ありますが、今回のコラムでは弊社で特に携わることの多い不織布3種類に絞り、それぞれ特徴を説明します。

 

  • ニードルパンチ

短繊維(ポリエステル・ポリプロピレン・レーヨンなど)を均一に並べてシート状(ウェブ)にし、無数の針がついた機械で、このウェブを上下に何度もパンチすることで作られる不織布です。針には小さな返しがついており、パンチするたびに繊維が絡み合い、しっかりと結合します。これにより、強度や耐久性を持つ不織布が形成されます。パンチの回数や針の種類を変えることで、シートの厚みや密度を自由に調整できます。そのため、薄手から厚手まで幅広い製品が作れます。

用途:建材・土木資材・フィルターなど

自動車部品では天井・カーペット・トランクルームのデッキボードなどによく使用されています。繊維の配合によっては熱で成形し立体形状のものを作ることも可能です。また難燃や撥水剤を塗布することで機能を持たせることもできます。

 

  • スパンレース

短繊維(ポリエステル、レーヨンなど)を機械で均一に並べ、綿のようなシート(ウェブ)を作り、このウェブに高圧の水を噴射し、繊維同士を絡ませてシート状に仕上げます。短繊維を原料に高圧水流で繊維を絡ませるため、柔軟でドレープ性に優れるという特徴があります。

用途:ウェットティッシュ・フェイスマスク・衛生用品など

自動車部品ではサイレンサー部品の表皮で使用されています。こちらもニードルパンチ不織布同様、難燃や撥水などの機能付与が可能です。

 

  • スパンボンド

今回紹介の3種類の中で最も高い生産性と低コストを実現する製法で作られる不織布です。主にポリプロピレンやポリエステルが使用されています。溶融した樹脂をコンベア上に広げ(溶融紡糸)、シート状の「ウェブ」を形成し、その後、自己溶融や熱加工(エンボス加工)によって繊維を接着させることで作られます。低い目付でも比較的強い強度が出せます。

用途:マスク・おむつ・衛生用品・フィルター・土木資材など

自動車部品ではサイレンサー部品の表皮やデッキボードの裏材などで使用されています。こちらも難燃や撥水などの機能付与が可能です。

 

3.不織布にプラスアルファでご提案できる内容

弊社では不織布単体のご提案のみならず、機能付与できる加工や昨今話題に事欠かないリサイクル関連のご提案など、多角度からお客様のモノづくりをサポートしております。以下では不織布に関連したプラスアルファのご提案について3つ代表でご紹介します。

 

  • 粘着加工

粘着加工品とは不織布をはじめとした繊維物や発泡体、樹脂シートなどの片面及び両面に粘着剤を塗布しテープ化する加工です。離型紙を剥がすだけで簡単に不織布の貼付けができるように加工できます。弊社協力メーカーで加工し、お客様のもとへお届けします。

粘着加工については、別コラムでは詳細情報を紹介しておりますので下記リンクのコラムも是非ご覧ください。

~省時間・省スペース・省コスト~ 粘着加工品のメリット

  • ラミネート加工

不織布に樹脂、フィルム、アルミ蒸着シート、アルミ箔、紙など異なる素材を重ね合わせる加工です。この加工により、不織布のみでは実現が難しい性能を付与することが可能です。例えば、防水・通気止め・防虫などの特性を追加できます。ラミネート加工についての詳細は今後 別コラムにて改めてご紹介させていただきます。

  • リサイクル

モノづくりの現場で必ず付いてくる問題として「産業廃棄物」が挙げられます。不織布を使用する現場も例外ではありません。製造時に発生する製品端材やロス品の処理にお困りの声をよく耳にします。弊社では不織布端材処理について多くのお客様よりご相談をいただいており、不織布端材を使った商品の開発サポートや他社へ材料として端材販売するルート探しなど活動しております。弊社の自動車業界での産業廃棄物削減への取り組みについて下記コラムを掲載しておりますので、こちらも是非ご覧ください。

自動車業界における産業廃棄物削減への取り組み -リサイクル材料-

4.まとめ

不織布は多彩な製法や素材の組み合わせにより、柔軟性・耐久性・コストに優れ、幅広い用途で革新をもたらす素材です。今回ご紹介したニードルパンチスパンレーススパンボンドの各種類に加え、粘着加工ラミネート加工といった技術を組み合わせることで、さらなる機能向上や付加価値の創出が可能です。

私たちは、お客様の課題に合わせた最適な不織布ソリューションをご提案いたします。不織布の活用や特殊加工についてお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

お問い合わせの際は弊社HP「お問い合わせフォーム」または下記連絡先までご連絡お待ちしております。

お問い合わせ先:営業第1グループ  担当:佐藤
TEL:052-201-2471
FAX:052-201-2476
mail:a-sato@nakagawashokai.co.jp