自動車内装部品の製造現場では、製品搬送や熱処理工程などで様々なベルト製品を使用されていると思います。見過ごされがちですが、ベルトの性能1つでラインの安定稼働や品質の均一性が大きく変わってきます。現場内で「ラインが止まる頻度が増えている」「部品交換の頻度が高く、メンテナンス工数がかさむ」などのお悩みは御座いませんか?その原因、もしかしたら“ベルト”かもしれません。
本コラムでは、各ベルト製品の「特長」と現場目線で分かる「ベルト選定」のポイントをご紹介します!
目次
①樹脂ベルト商品のご紹介
1、樹脂ベルトの主な種類と特長
2、ベルト選定のポイント
②フッ素樹脂ベルト製品のご紹介
1、フッ素樹脂ベルトの構造と特長
2、ベルトの種類:平滑タイプとメッシュタイプ
③ベルト接合方法
④まとめ
樹脂ベルトは、柔軟性と加工性に優れた搬送用ベルトで、幅広い用途に対応可能な汎用性の高さが魅力です。耐摩耗性や耐油性を備えており、プレス工程や組立工程など、多様な搬送ラインで活躍しています。
また、カスタマイズ性が高く、厚み・硬さ・表面パターンなどを工程に応じて調整することが可能です。
ゴムや金属製のベルトと比べてコストパフォーマンスにも優れ、軽量で取り扱いがしやすくメンテナンスも容易なため、生産現場におけるランニングコストの削減にも貢献します。必要十分な性能を備えつつ、柔軟に現場ニーズに対応可能です。
樹脂ベルトには、主にPVC(ポリ塩化ビニル)、PU(ポリウレタン)、シリコン、PE(ポリエチレン)、TPU(熱可塑性ポリウレタン)などの種類があります。
下記にてそれぞれの製品詳細についてご説明致します。
□PVC(ポリ塩化ビニル)ベルト
PVCベルトは、比較的安価でコストパフォーマンスに優れており、柔軟性が高く、標準的な搬送用途に広く使用されています。色や硬さ、表面パターンなどのバリエーションがあり、汎用性の高さが特長です。内装部品の一般搬送ラインなどで使用されています。
□PU(ポリウレタン)ベルト
PUベルトは、PVCよりも耐油性・耐薬品性・耐水性に優れており、より過酷な環境下でも安定した性能を発揮します。静電気が発生しやすいラインでは帯電防止タイプのご提案も可能です。用途例としては、表面仕上げ品(インパネ・シートカバーなど)の搬送や防汚・非粘着が求められる工程などで使用されています。
□シリコンベルト
シリコンベルトは、非粘着性に優れた滑らかな表面で、熱や化学薬品への耐性も高く、PVCやPUでは対応が難しい高温工程に適しています。
用途例としては、高温工程(ホットプレス後の製品搬送など)で使用されています。
□PE(ポリエチレン)ベルト
PEベルトは、軽量で耐薬品性が高く、食品・医療分野での使用に適しています。柔らかい素材により、軽荷重でも安定した搬送が可能です。非接触搬送が求められる工程に向いています。
□TPU(熱可塑性ポリウレタン)ベルト
TPUベルトは、PUよりもさらに柔軟かつ強靭で、耐摩耗性・耐切創性に優れています。高い弾性と復元性を持っているので、繰り返しの曲げにも強いです。用途例としては、摩擦によるダメージが懸念される工程で使用されています。
フッ素樹脂ベルトは、高温・耐薬品・非粘着性が求められる生産工程において不可欠な機能性ベルトです。自動車内装部品工場においては、乾燥炉、熱風・熱板成形ライン、熱収縮加工など、さまざまな熱処理ラインや特殊環境でその性能を発揮します。
フッ素樹脂ベルトは、以下のような構造で作られています。
□基材
ガラスクロス(ガラス繊維織物)やアラミド繊維など、耐熱性・寸法安定性に優れた織物素材を使用しています。
□表面コーティング
PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などのフッ素樹脂をコーティングすることで、耐熱性・非粘着性・耐薬品性を付与しています。
□主な特長
耐熱温度 :260℃前後(連続使用)
非粘着性 :樹脂やインク、油などが付着しにくく、清掃性良好
耐薬品性 :酸・アルカリ・有機溶剤への高い耐性
寸法安定性:熱膨張が少なく、精度が求められる工程に適応
□ 平滑タイプ(スムースタイプ)
表面が滑らかな構造を持つベルトで、搬送物との接触面積が広く、安定した搬送が可能です。熱板との密着性が高いため、均一な熱伝達が求められる工程に適しています。特に、耐熱性(〜260℃)や離型性が求められる場面で効果を発揮します。
【選定のポイント】
搬送物の形状が平坦で、均一な加熱が必要な場合に最適です。
熱板との接触面積を広く取りたい工程に向いています。

□ メッシュタイプ(ネットタイプ)
ガラスクロスなどの織物をベースに、フッ素樹脂でコーティングしたメッシュ状のベルトです。空気や熱風を通す構造のため、熱効率が高く、乾燥や焼付けなどの工程に適しています。メッシュの穴サイズは1×1mm、5×5mmなどがあり、用途に応じて選択可能です。
【選定ポイント】
風通しや温度分布の均一性が重要な工程に最適です。
軽量物や通気性を必要とする製品の搬送に向いています。
メッシュ穴サイズの選定により、搬送物の安定性や熱効率を調整可能です。
ベルトの接合方法としては、ロール状で提供されるエンドレス品と、
ベルトの端同士を接合するレーシング品の2種類あります。
代表的な接合方法は以下の通りです。
◎樹脂ベルト製品
【エンドレス加工方法】
□Z接着
ベルトの両端部をZ状にカットし、加熱プレス法により接合します。
接合部の厚さが均一に保たれる接着方法 です。
□ステップZ接着
ベルト両端部を2段のZ状にカットし、加熱プレス法により接合するので
より厳しい条件でも優れた耐久性を発揮する接着方法です。
□ステップ式オーバラップ接着
ベルト両端部をステップ状にカットし、加熱プレス法により接合します。
接着部に強度が要求される用途に適しています。
【レーシング加工方法】
□メカニカルファスナー
ステンレス製や樹脂製のヒンジピンなどを用いて取り外しを可能にした継ぎ方です。
簡便かつ迅速にベルトの脱着ができ、お客様自身で現場にてエンドレス化が出来ます。
◎フッ素樹脂ベルト製品
【エンドレス加工方法】
□ オーバラップ法
ベルトの接合部をオーバラップさせて加熱プレス法により接合します。
接合強度が十分に得られ、最もスタンダードな接合方法です。
高張力のかかるラインに最適です。
□ バッド法
ベルトの端面を突き合わせ、下に裏打材を当てて接合します。
表面平滑性を重視した接合方法です。
【レーシング加工方法】
□ 金具接合法
ベルト両端ループ部を金属のヒンジピンを用いて取り外し可能にした継ぎ方です。
弊社では、自動車内装部品メーカー様向けで様々な種類の樹脂ベルト、フッ素樹脂ベルトを販売しております。下記のようなお困りごとがございましらお気軽にお問い合わせください。
□生産性向上・課題解決に向けた最適な製品選定をご希望の方へ
静電気対策、耐熱性向上、非粘着性の強化、交換頻度の低減など、現行品の課題に対して最適な解決策をご提案します。
□複数ラインにおけるベルトの一元管理をご希望の方へ
ご希望に応じて、工程配置図や価格表の作成も承っております。
また、工程とベルト仕様を紐づけた管理番号を付与することで、
再注文時の仕様確認にかかる手間を省くことが可能です。
本内容にご興味を持っていただけた場合や、ご不明点がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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