平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今回のコラムは、営業第2グループが担当させて頂きます。
前回は、「段ボールシートの印刷時に使用する段ボール印刷インキ」をご紹介し、
インキの特徴や環境対策品としての役割、弊社の関わりについてご紹介しました。
今回のコラムでは、弊社が取り扱っている製品のうち、「苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)」についての説明や
弊社の関わりをご紹介します。
苛性ソーダは多くの製造現場で必要不可欠な基礎薬品であり、安定供給と安全な取り扱い体制が
そのまま生産性や品質に直結します。毒劇物に該当する商材だからこそ、確かな知識と実績を持つ
パートナー選びが重要です。
用途や取り扱いのポイントに加え、中川商会だからこそできることを説明することで、
苛性ソーダ導入・見直しのメリットをご紹介します。
目次
1.苛性ソーダとは?
2.他業種での用途について
3.段ボール工場での役割について
4.苛性ソーダの取り扱いについて
5.中川商会としてできること
6.まとめ
苛性ソーダ(化学式:NaOH)は、無色または白色の固体で、強いアルカリ性を持つ無機化合物です。
水に非常に溶けやすく、溶解時には発熱します。その強い腐食性から、皮膚や目に触れると危険であり、取り扱いには厳重な注意が必要です。
別名「水酸化ナトリウム」とも呼ばれ、工業的には塩水の電気分解によって大量に生産されます。
苛性ソーダは、化学反応の中和や加水分解、洗浄、脱脂など、さまざまな場面で活躍する
「万能なアルカリ剤」として知られています。
苛性ソーダは、段ボール工場に限らず、以下のような多様な業界で使用されています。
化学工業:界面活性剤や染料、医薬品などの原料として使用。
製 紙 :木材からセルロースを取り出すクラフト・パルプ工程で使用。
食 品 :オリーブの渋抜きや中華麺のかんすい代替、機器の洗浄。
水処理 :pH調整剤として、酸性排水の中和や重金属の沈殿処理に使用。
石油精製:硫黄分や酸性成分の除去時に使用。
繊 維 :綿繊維の精練や漂白工程に使用。
金属加工:アルミニウムの表面処理や脱脂洗浄の際に使用。
このように、苛性ソーダは「社会の基盤を支える化学品」として、幅広い分野で不可欠な存在となっています。
(下記写真のように、ローリー車での納入をする場合もございます。)
段ボールの製造では、ライナー原紙と中芯原紙を接着するために「糊(のり)」が使われます。
この糊の主成分は澱粉ですが、澱粉はそのままでは接着力が弱く、加工が必要です。
ここで苛性ソーダの出番です。苛性ソーダを加えることで、澱粉がアルカリ処理されて「糊化」し、
粘着力が高まります。
また、苛性ソーダの添加量は、糊の粘度や乾燥速度に大きく影響するため、製糊工程では非常に繊細な管理が求められます。近年では、弊社からもご販売させて頂いております全自動製糊装置の活用によって、安定した品質の糊を製造する工場も増えています。
苛性ソーダは強アルカリ性で、皮膚や粘膜に触れると化学火傷を引き起こす危険性があります。
そのため、段ボール工場では、苛性ソーダの取り扱いに関して厳格な安全管理体制が敷かれています。
作業員の保護対策
苛性ソーダを扱う作業員は、以下のような個人防護具(PPE)を着用することが
義務付けられています。
・耐薬品性のゴム手袋
・保護ゴーグルまたはフェイスシールド
・耐薬品性の作業着(長袖・長ズボン)
・安全靴
■ 苛性ソーダ漏洩時の対処方法
① 初期対応:人員の安全確保
警報を発報し、周囲の作業員に漏洩を知らせる。
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漏洩区域を封鎖し、関係者以外の立ち入りを禁止。
↓
作業員は防護具(ゴーグル、手袋、防護服、呼吸保護具)を着用。
必要に応じて、避難誘導を行う。
② 漏洩物の封じ込めを行う
液体が広がらないように、吸収材(例:化学吸着パッド、砂、バーミキュライトなど)で囲む。
↓
床面の勾配を利用して、排水溝や配管への流入を防止。
↓
タンクのバルブや配管を確認し、漏洩源を遮断。
③ 中和処理と回収
漏洩した苛性ソーダは、希硫酸や酢酸などの弱酸で中和する
↓
中和後の液体は、専用容器に回収し、産業廃棄物として処理。
↓
固体吸収材も化学物質として分類し、適切に廃棄。
※苛性ソーダの中和について
苛性ソーダの中和と聞くと、酸を入れて中性に近づけるだけの単純作業のように思われがちですが、
実際には細かく注意する必要があります。特に「熱の出方、pHの進み具合、混ざり具合」、
この三点がポイントになります。
まずは熱の出方についてです。苛性ソーダと酸が出会うと、皆さんが想定している以上に熱が発生します。
濃い酸をまとめて入れると、局所的に温度が跳ね上がって、場合によっては液が跳ねたり、
設備に負担がかかったりします。そのため、慌てずに薄めた酸を少しずつ入れて、
温度を見ながら進めることが大切です。
次にpHの進み具合です。中和時は、pHの動きがなかなか安定しません。
一度酸性に振れてしまうと戻すのが面倒になるので、pH試験紙やpH測定器で計測を行う必要があります。
そして混ざり具合です。これは意外と見落とされやすいポイントです。混ざり具合が弱いと、
「まだ強アルカリのままの部分」と「酸が余っている部分」が同時に存在してしまい、
そこが後から急に反応してトラブルの原因になります。
中和作業では、常に目で混ざり具合を確認しながら実施することで、事故を防ぐことができます。
こうして見ると、苛性ソーダの中和は「やるべきことは単純でも、丁寧さがすべて」ということがポイントになってきます。危険物の取り扱いは“慣れ”よりも“ルールに沿ったうえで丁寧な対応を行うこと”が重要です。
④ 洗浄と除染
漏洩箇所を大量の水で洗浄し、残留物を除去。
↓
pH試験紙やセンサーで表面の中和状態を確認。
↓
洗浄水は中和処理後に排水。
⑤ 報告と再発防止策
事故の詳細を安全管理責任者に報告。
↓
必要に応じて、労働基準監督署や消防署へ届出。
↓
原因調査を行い、設備の点検・改善、作業手順の見直しを実施。
↓
作業員への再教育・訓練を行う。
⑥備えておくべき設備・資材
- 緊急洗眼器・シャワー
- 化学吸収材・中和剤
- 漏洩検知センサー
- 防護具一式(常備)
- 漏洩対応マニュアル(掲示・携帯)
上記内容は、苛性ソーダの漏洩対策ではありますが、苛性ソーダに限らず世の中には様々な化学薬品が
取り扱われています。大きな事故を防ぐためにも、事前の対策・準備が必要になります。
参考資料:化学製品事故対策(厚生労働省)

弊社では毒物劇物取扱者の資格取得者が多く在籍しております。
固形・液体問わず苛性ソーダのご提案をさせて頂くことが可能です。
また、段ボール工場ではお客様によって使用量が異なるため、使用量に合わせた
貯蔵するためのタンク及び漏洩防止の防壁もご提案させて頂く事が可能です。
苛性ソーダの納入に当たっては上記にて記載した通り、安全面の徹底が必要があり、
初回納入については現地の状況確認を事前に行わなければなりません。
ご使用状況や使用環境によって提案内容は変化して参ります。是非一度お問い合わせください。
段ボールの糊は、製品の外観からは見えませんが、その品質を大きく左右する重要な要素です。
そして、その糊の性能を引き出す苛性ソーダは、まさに「縁の下の力持ち」です。
中川商会では、糊を作るうえで欠かせない材料である苛性ソーダに限らず、
以前のコラムでも記載しておりますコーンスターチをはじめとした糊の各種原料を
ご提案させて頂くことが可能です。
お問い合わせの際は弊社HP「お問合せフォーム」または下記連絡先までご連絡お待ちしております。
お問い合わせ先:営業第2グループ 担当:塩谷 駿斗
TEL:052-201-2471 FAX:052-201-2476
今回も最後までお読み頂き、誠に有難う御座いました。
