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2023.07.19
コラム

接着剤だけじゃない!モノとモノをくっつける方法を紹介します!

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

営業第1グループ(自動車関連部署)では以前よりコラムで接着剤関連についてご紹介してきましたが、今回は接着剤以外のモノとモノをくっつける(接合)方法についてご紹介します。

(過去コラム:接着剤について解説しますホットメルトとは

モノとモノをくっつけるとなるとおそらく多くの方が接着剤を思い浮かべるのではないでしょうか。たしかに家庭用から業務用までさまざまな種類が存在し、非常に身近な存在といえるかもしれません。しかし、モノづくりの開発・製造現場において常に接着剤が最適解とは限りません

弊社では接着剤という選択肢だけではなく、お客様で使用される材料・生産現場の環境・求める部品性能などの条件に合う接合方法のご提案をしております。

このコラムでは数ある接合方法の中から3つ、簡単にではありますがご紹介させていただきます。

 

・目次

接合方法①:超音波溶着機

接合方法②:タッカー(ステープル)

接合方法③:接着フィルム

まとめ

 

接合方法①:超音波溶着機

超音波溶着機はおおまかに発振機・振動子・ホーンから構成されております。超音波振動と加圧力によって2つのプラスチック樹脂(熱可塑性樹脂)の接合面に摩擦熱を発生させ、樹脂を溶融し接合させる工法です。手動工程・自動工程のどちらの場面でも再現性の高い加工ができ、制御しやすいです。1秒前後の短時間で溶着し、容易に気密溶着ができるので、自動車・家電・日用品・食品包装などの幅広い分野で使われています。実は不織布のマスクにも、超音波溶着が用いられています。

【メリット】

・熱可塑性のプラスチックであれば、ほぼすべての種類に適用できる

・多点同時溶着、連続溶着可能

・表面に塗装などがされている物でも溶着可能

・短い時間で溶着できる

・消耗品を使わないので、ランニングコストが少ない

・溶着時のみの通電のため、省エネ

【デメリット】

・大きい部位の溶着は振動を大きくする必要があり、振動が大きすぎると溶着対象自体に与える衝撃が大きくなり傷つく可能性があるため加工が困難

・複雑な形状や不規則な形をしているものは一定の圧を加えられない箇所が出てくるので溶着困難

・立体形状の溶着は一定の圧を加えられない箇所が出てくるので困難

 

【接合材料実例】

・不織布(PET・PP・PEなど)+不織布(PET・PP・PEなど)

・プラダン(PP)+プラダン(PP)

・不織布(PET・PP・PEなど)+樹脂シート(熱可塑性樹脂)

【採用実績部品】

・フェンダーライナー

・ダクト部品

・ラゲージ周辺部品

・ドアトリム

 

接合方法②:タッカー(ステープル)

タッカーは大きなホチキスのような工具を指し、木工や建築・自動車関係で主に使用されています。先端の放出口からステープルと呼ばれるコの字型の針が飛び出し、接合したい対象物に刺さり針先が折れ曲がることで固定される仕組みです。自動車関連ではステープルの先が折れ曲がり固定される仕様が多いですが、木工・建築関連ではステープル先が曲がることなく突き刺さることで対象物を固定します。

【メリット】

・接合までにかかる時間が短い

・接合したものを分解する際に比較的綺麗に分解できる

・接合強度が出しやすい

【デメリット】

・ステープルの購入が必要のため、ランニングコストがかかる

・タッカー本体が重いため長時間の作業がしづらい

・自動化が容易ではない

 

【接合材料実例】

・面ファスナー+不織布/樹脂シート

・不織布+不織布

・不織布+メッシュ生地

※不織布や樹脂シートの材質に制限はほとんどないです

【採用実績部品】

・フロアマット

・ダクト部品

・カーペット

 

接合方法③:接着フィルム

接着性のある樹脂をフィルム状に製膜したものです。使用する接着樹脂の選択や膜厚をコントロールすることによりさまざまなものへ接着します。フィルムは単層だけではなく多層仕様にすることもでき、単一の接着樹脂の選定だけでは対応することのできなかった性能を出すことが可能になります。例えば、PE/NY/PEの3層フィルムの場合は両サイドのPEが接着層の役割、NYは遮音層の役割をもちます。

【メリット】

・液体状になる接着剤と比較すると薄く均一にすることが簡単にでき接着力のバラつきが少ない

・不織布、フェルトやシートなど平らな材料であれば、事前にラミネートなど前加工をしなくても材料の間に挟み込み一緒に熱をかけて成形・接着が1度に可能

・作業者の習熟度による塗布量のバラつき・はみ出しがほとんどない

・液体状の接着剤に比べるとにおいが少ない

【デメリット】

・細かい部品の接着には向かない

・ランニングコストが高い

 

【接合材料実績】

・フェルト+樹脂シート

・不織布+ガラスマット

【採用実績部品】

・ダッシュサイレンサー

・天井

 

まとめ

今回のコラムでは3点の接合方法をご紹介してきました。数ある接合方法から開発条件・生産現場に合う最適なものを決めることは簡単なことではないです。各方法の利点・欠点や使用する材料の特性などよく把握し検討することが大切になります。

弊社は40年以上自動車部品業界に携わるなかで、材料・設備どちらも提案することができる体制を取っており、お客様の商品開発をトータルでサポートすることができます。

また、コラムで取り上げました超音波溶着機やタッカーは、設備単体だけではお客様の要望に沿う工程をつくることが難しいことがあります。弊社ではそれらの設備をロボットと組み合わせ自動化にすることや、生産工程で使いやすいよう治具としてご提案することも可能です。

お客様でモノとモノをくっつける工程の検討をされることがございましたら、どのような案件でも構いませんので気軽にお声がけください。

 

お問合せいただく際は「お問合せフォーム」またはお電話にて承っております。

我々がお客様の課題解決に向けて、全力でお答えいたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

営業第1グループ 佐藤

TEL:052-201-2471