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2024.05.30
紙・段ボール関連分野

必見!段ボール工場内の結露対策~生産性・品質安定に繋げよう~

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今回のコラムは、営業第2グループが担当させて頂きます。

今回は、段ボールシートおよび段ボールケース製造時に発生する結露の対策方法についてご説明させて頂きます。結露は製造時の課題であり、最悪の場合、製品不良に繋がります。今回のコラムを通じて、結露の対策をご検討頂ければ幸いです。

目次

1.結露のメカニズムと原因
2.結露防止対策について
3.結露防止剤の種類と特性
4.まとめ

 

1.結露のメカニズムと原因
まず初めに、結露がどのようにして発生するのか、そのメカニズムや主な原因について解説します。特に、温度差や湿度がどのように結露に影響を与えるのかを詳しく説明します。結露は、暖かい水蒸気を大量に含んだ空気が冷やされて、相対湿度が100%(飽和水蒸気量)に達した時に、水蒸気が水に変化することで発生します。温度差で結露が発生する解りやすい事例として、冷えたビールをグラスに注ぐとグラスの表面に水滴がつく現象がイメージ付きやすいかと思います。

では、結露が生じた場合にどのような被害や影響があるのでしょうか。事例として、建物や健康への影響、段ボール製造時の問題点について具体的に紹介します。

段ボール製造と結露の関係性
段ボール製造においても、結露防止は重要な課題の一つです。コルゲートマシンには段ボールを貼り合わせるために熱が掛かります。その際に発生する蒸気が空気と触れ合うことで、機械表面に結露が発生し、水滴がシートに落ちる可能性があります。これにより、必要以上に水分が与えられてしまい、貼合不良や水滴に伴う製品不良を発生させる要因になります。また、シートを加工する工程においても、シートを搬送している間に天井に水蒸気が上がっていき、天井部等に結露を発生させる要因になります。段ボールの性質上、結露が発生すると品質の不良になります。

2.結露防止のための対策

ここからは、結露を防止するための具体的な対策や方法について紹介します。主な結露対策のヒントとして4つの方法を説明します。

①適切な通気:室内や建物内の通気を確保することで、湿気の移動や循環を促進し、結露を防ぎます。窓や換気扇を利用して空気を循環させることが重要です。

②湿度の管理:湿度計を使用して湿度を管理し、適切なレベルに保つことが結露防止につながります。特に密閉された空間や湿度が高い環境では注意が必要です。

③断熱・遮熱対策:建物や製品の断熱性や遮熱性を向上させることで、温度差を抑えて結露を防止します。段ボール工場ではシングルフェーサーで温度差が発生しやすいので断熱材や遮熱塗料の使用などが有効です。

④結露防止剤の利用:塗布型やスプレー型の結露防止剤を使用することで、表面に膜を形成して結露を防止します。特に金属やガラス表面などで効果的です。

3.結露防止剤の種類と特性
ここからは、結露防止剤はどのような特性があり、使用方法があるのかということをこれからご説明します。結露防止剤の種類や特性について解説します。塗布型やスプレー型、吸湿性や通気性などの特徴や選び方、製品比較などをまとめます。

結露防止剤は、結露現象を抑制するために使用される製品です。様々な用途や特性を持った結露防止剤が存在しますが、一般的なものとして以下の特性が挙げられます。

吸湿性: 結露防止剤は湿気を吸収する能力を持っています。これにより、機器や部屋の表面に水滴が付着しにくくなります。

調湿性: 結露防止剤は湿度が高いときに湿気を吸収し、湿度が低いときに湿気を放出する特性を持っています。これにより、室内の湿度を一定に保つ効果があります。

防カビ性: 結露防止剤にはカビや菌類の発生を抑制する成分が含まれている場合があります。これにより、カビや黴の発生を防止します。

不燃性: 一部の結露防止剤は不燃性を持っており、火災のリスクを低減する効果があります。

また、結露防止剤には、さまざまな種類やタイプがあります。主な種類としては以下のようなものがあります。

吸湿性結露防止剤: 湿気を吸収することで結露を防止するタイプの結露防止剤です。通常、シリカゲルやセルロースなどの吸湿性材料が使用されています。

膜形成型結露防止剤: 表面に薄い膜を形成し、結露を防止するタイプの結露防止剤です。膜の材料としてはポリマー系やシリコン系の成分が使われることがあります。

調湿性結露防止剤: 湿度が高いときに湿気を吸収し、湿度が低いときに湿気を放出するタイプの結露防止剤です。通常、特殊な吸湿材料や調湿材料が含まれています。

防カビ性結露防止剤: カビや菌類の発生を抑制する成分を含んでいる結露防止剤です。防カビ剤としては抗菌剤や防黴剤が使用されることがあります。

断熱性結露防止剤: 表面の温度を一定に保つことで結露を防止するタイプの結露防止剤です。断熱効果を持つ材料が使用されています。

不燃性結露防止剤: 不燃性を持っており、火災のリスクを低減する効果がある結露防止剤です。不燃材料や耐火材料が使用されます。

段ボール製造工場においては、上記の調質性結露防止剤を使用することで結露を軽減することができると思われます。特に湿度が高い環境のシングルフェーサーや、段ボールシートを保管する場所で結露が発生しやすい場合に効果的です。

4.まとめ
今回は、段ボール工場で発生する結露を対策する方法についてご説明しました。実際に上記膜成形結露防止剤をご提案し、ご採用頂いた段ボールメーカー様から高い効果を感じられているとご好評をいただいています。今の時期には余り注視されませんが、今から対応を行い、この先の冬場での対応を考えていただければと思います。結露防止剤は高価なものではなく、お気軽にお試しいただける製品です。製造現場により、それぞれ最適な結露防止剤がございますので、是非お問い合わせ頂ければと思います。

お問い合わせの際は弊社HP「お問合せフォーム」または下記連絡先までご連絡お待ちしております。

お問い合わせ先:営業第2グループ 担当:見玉

TEL:052-201-2471

FAX:052-201-2476

最後までお読みいただき、誠に有難うございました。

以上